【レポート】SLOW ACADEMY 障害者のアート・スポーツ活動 指導者育成講座 ターゲット1実習,

障害の有無を超えて誰でも参加できる場づくりを行ってきたスローレーベルのノウハウを基に、障害のある方とのアート・スポーツ活動の楽しみ方や場づくりを学ぶ研修プログラムのターゲット1実習を12月初旬に実施しました。

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今回は、職場などにて障害のある方と関わりのある方(福祉施設職員、特別支援学校教員、作業療法士の方など)を対象に、サーカスを活用した心身機能向上プログラムを体験していただきました。

まず最初に、短い座学でソーシャルサーカスの概要や、この実習を通じどんなことを得ていただきたいかをお話しました。

今回は、サーカスの道具が使えるようになったり、サーカスワークショップのファシリテートができるようになったりすることよりも、まずはサーカスの楽しさやみんな同じ立場で一緒に参加することの大切さと、障害のある方との関係性などについて気づきを得ていただくことが大きな目標でした。

座学後はサーカスアーティストの金井ケイスケさんと2名のアシスタントの方を中心にワークショップを行っていきます。

いつもは障害のある人を支援・指導する立場の方が、対等な参加者としてワークショップに入ることで、フラットな関係性を体感することができたり、接し方について考えることができます。
この日は指導者の方のみのワークショップでしたが、指導者育成講座」ということを忘れ、純粋に楽しんでくださっている様子。

ほとんど初対面同士の方も多くいらっしゃいましたが、
自己紹介的な会話はほぼなかったのに、体と頭の両方を使うワークを通じて、
言葉以外の部分で通じ合い、交流や信頼関係が育まれていきます。

その信頼関係が試されるのが、中盤で行うこのロープワーク。

輪になってロープを持ち、体重をロープに預け、上半身を後ろに傾けてバランスをとります。
誰か一人でも手を離したり力を抜くと危険なので、
「ロープをしっかり持っていなくては!」というチームの一員としての責任感が生まれると同時に、ほかの人を信頼する気持ちも必要なワークです。

この日は逆立ちにもチャレンジ。

少し難しいことや、普段はやらないことにチャレンジしてみること、
そしてできた達成感を味わうことも、このワークショップから得られる体験です。

お楽しみのジャグリング。

皿回しやジャグリングボールなどのサーカス道具を使って遊べるジャグリングタイムは、
みんなが時間を忘れて夢中になります。

遊びながら小さな挫折と成功の喜びを体験できる時間です。

ラストは「ソレイユ」。

今日参加した全員でリングに繋がれた糸を持って、上に乗っているボールを落とさないように、床に置かれているポールまで移動するというワーク。
ここまでのワークを通じて養われた協調性、自主性、信頼関係、バランス感覚などを総動員して行う、ワークショップの集大成です。
この日は、ボールを落とさず、見事1回で成功することができました。

ワークショップ終了後、感想をシェアしました。

「初めてのことに挑戦し、できたときに達成感が味わえるのが良かった」
「参加者同士、会話はあまりしていないのに仲良くなれた」
「自分のコミュニケーションの癖に気づいた」
などの感想がありました。

今回の実習で体験したアクティビティや気づいたことを、それぞれの現場で試していただいてから、再び集まって共有しあうことになっています。
どんな広がりがあるか、とても楽しみです。

(SLOW LABEL 西川)


beyond2020プログラム認証事業
平成30年度内閣官房 「オリンピック・パラリンピック基本方針推進調査」に係る試行プロジェクト
SLOW ACADEMY 2020年オリパラ大会・文化プログラムにおける障害者参加を支える人材育成プロ グラム
「障害者のアート・スポーツ活動 指導者育成研修プログラム」

主催:スロームーブメント実行委員会
協力:公益財団法人神奈川芸術文化財団、神奈川県立青少年センター
企画・制作:特定非営利活動法人スローレーベル