【レポート】SLOW ACADEMY 障害者のアート・スポーツ活動 指導者育成講座 第3回,

障害の有無を超えて誰でも参加できる場づくりを行ってきたスローレーベルのノウハウを基に、障害のある方とのアート・スポーツ活動の楽しみ方や場づくりを学ぶ研修プログラムの第3回を10月16日に実施しました。

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今回は、モニター受講生ターゲット2の実習として、芸術や身体活動に関してスキルを持っているが、障害のある方との活動を行ったことがないアーティスト、ダンサー、トレーナー、俳優の方々を対象に、実際に障害のある方との創作を学びます。

実習を「最後に作品発表を控えた90分の創作現場」と想定し、スローレーベルがワークショップや公演に向けて創作を行う際のチーム体制やスタッフワークを、実際の障害のある方とのワークショップに参加する中で身をもって体験するという、とても濃い内容。

 

 

講師は後藤みきさん。スローレーベルのアカンパニストや演出助手として様々な現場に携わってきました。

 

 

まずはチームミーティングを体験。ディレクター、演出家、アカンパニスト、アクセスコーディネーター、マネージャー、手話通訳などなど様々な立場と役割を持つスタッフ同士で、1日の流れ、プログラム内容、参加者について、安全のための注意事項など情報交換します。



 

 

ミーティングが終わると、いざ実際に障害のある方々と一緒にワークショップ。この時間は受講生ではなくワークショップの参加者として、創作に没頭してもらいます。


ワークショップの講師・演出家は金井ケイスケさん。ワークショップ中や休憩中などの振る舞いや動きを見て学んでもらえるように、スタッフは役割が書いたビブスを着用しています。


 

 

 

全体でのウォーミングアップが終わったら4チームに別れてグループワーク。グループ内でアイデアを出し意見をまとめながら一つの動きを作っていきます。







 

 

 

ワークショップ時間も残りわずか。休憩を挟み、グループワークで生まれた動きを繋げ、一つの作品にしていきます。



 

 

 

なんとかまとめあげ、最後は付添の方々や親御さん、会場のスタッフのみなさまにお集まりいただき創作発表。






 

 

 

発表を終え、ワークショップは終了。興奮冷めやらぬまま、実習はフィードバックに移ります。
それぞれがワークショップを体験して感じた「質問」「困ったこと・苦労したこと」「発見」「スタッフの動きで気づいたこと」をチーム内でシェアし発表しました。



 

 

濃密な90分のワークショップを経て、気持ちや頭の整理がつかないのは当然のこと。創作の時間は短く、コミュニケーションを取る時間も限られている中で作り上げいかなくてはならないもどかしさをみなさん感じていました。

どんな創作現場でも、限られた時間や条件の中で進めなくてはならないことも多く、どのような事前準備と創意工夫で作品を作っていくか、体験を通じて感じてもらいたいと、今回の実習を組み立てていきました。

スローレーベルも経験を通じて毎回模索しながら体得していったそれぞれの考えで、その場の状況に応じチームで協力し合いながら一つの場を作っています。なのでみなさんが感じたその「モヤモヤ」はとてもよく分かりますし、それが重要だと思っています。






 

今回の実習に「答え」はありません。この研修プログラムはまだまだ研究開発段階。スローレーベルが様々な経験を通じて感じ、得てきた私たちなりのノウハウを少しでもみなさんとシェアし社会に広めていけるよう、良い研修プログラム作りを進めていきたいと思っています。

 

(SLOW LABEL 野村)

Photo:Hajime Kato

 


beyond2020プログラム認証事業
平成30年度内閣官房 「オリンピック・パラリンピック基本方針推進調査」に係る試行プロジェクト
SLOW ACADEMY 2020年オリパラ大会・文化プログラムにおける障害者参加を支える人材育成プロ グラム
「障害者のアート・スポーツ活動 指導者育成研修プログラム」

主催:スロームーブメント実行委員会
協力:公益財団法人神奈川芸術文化財団、神奈川県立青少年センター
企画・制作:特定非営利活動法人スローレーベル