【レポート】基礎座学「多様化するアートの形とキャリアアップ」「絵画・造形作品に関する著作権の権利保護」,

スローレーベルが今年取り組んでいる「アクセシビリティ&アカンパニスト研究プログラム」。
基礎座学は、障害のある人々のアート活動を考えるうえで基本となる知識や現場の事情などを学ぶ講座です。障害のある人のアート活動に関心がある方の入門編として、また、福祉の現場で実践されている方がさらに活動をすすめていくヒントとして、各分野の専門家からお話を伺いました。

 

○「多様化するアートの形とキャリアアップ」
まずはアートの基礎知識について、象の鼻テラス アートディレクターの岡田勉さんよりお話いただきました。
古代の洞窟絵などの原始的な表現から現在に至るまでのアートの歴史をたどりながら、現代美術の多様な表現、またアートマーケットの状況など、初心者にもわかりやすく教えてくださいました。
「自分の審美眼を信じて作品を購入することで見聞が広がり、心が豊かになる。」とのお話も。アートとの関わり方は多様で、たくさんの可能性があるあるのだと感じられました。

【参加者からのコメント】
「福祉施設で働いていますが、芸術的知識は全く初めてだったので、ゆっくり説明していただけて良かった。障がいを持った方達のアートの市場がニーズがあるのか気になりました。」

 

○「絵画・造形作品に関する著作権の権利保護」
基礎座学の後半では、障害のある人の著作権を守るためにはどうすればよいのかを考えました。
アール・ブリュット・ジェポネ展の顧問弁護士として、障害のあるアーティストやその家族等との交渉に取り組まれた川島志保さんに「成年後見人制度」についてお話しいただきました。
障害のある人の権利を守る仕組みには課題もたくさんあるようですが、「誰もが自分のことは自分で決めることができる」ということが、今最も基本となる考え方だそう。障害のある人のアート活動の現場でも、この考え方はとても大切になってきそうですね。

【参加者からのコメント】
「障がいのある方の著作権は今後、展覧会を開いたり、流通に乗る場合には大切になることを学びました。」
「今日、わからないことばかりでしたが、一歩ずつ意識的に取り組めればと思いました。」

 

―データ―

「多様化するアートの形とキャリアアップ」
日時:2015年11月4日(水)18:00 – 19:00
会場 : 横浜市民ギャラリーあざみ野(横浜市青葉区あざみ野南1-17-3)
参加者数:23名
講師 : 岡田勉 (象の鼻テラス アートディレクター)

「絵画・造形作品に関する著作権の権利保護」
日時:2015年11月4日(水)19:30 – 20:30
会場 : 横浜市民ギャラリーあざみ野
参加者数:20名
講師 : 川島志保 (川島法律事務所 弁護士)

※このプログラムは、厚生労働省「平成27年度 障害者の芸術活動支援モデル事業」アクセシビリティ&アカンパニスト研究プログラムの一環として開催しました。