【レポート】視察ツアー『福祉の現場の最新アートを見学しよう』,

スローレーベルが今年取り組んでいる「アクセシビリティ&アカンパニスト研究プログラム」。
夏に実施した視察ツアー報告です。1日で県内のアート活動を取り入れた福祉施設を巡るバスツアー。
それぞれちがった個性や考え方をもつ3施設を見学させていただきました。

○最初は、平塚にあるstudio COOCAさん。神奈川県内で、日常活動にアートを取り入れた先駆けの施設です。代表の関根さんに活動の経緯をお話しいただいたあと、施設内を見学させていただきました。自由な雰囲気のなか、アーティストたちがそれぞれの制作に取り組んでいました。絵画や造形だけでなく、人形劇やパフォーマンスなどもされているそうです。

 

○横浜市旭区のカプカプひかりが丘さんは、団地の商店街の中にある施設です。カフェで飲み物やスイーツをいただきながら代表の鈴木さんのお話しを伺いました。「だれもがいなくてはならない」場をつくる試みは、障害のある人のアート活動のあり方を考えるきっかけとなりました。

 

○アートかれんさんでは、絵画や手織りなどの制作活動をされています。実際に絵画の制作現場を見学させていただきました。生活の自立のためのプログラムとして昼食を作ったり掃除や洗濯なども一緒にされており、日常とアートがゆるやかにつながる場になっているのが印象的でした。

 

○このツアーでは、福祉施設関係者、文化施設関係者、クリエーター、会社員など、多様なバックグラウンドをもつみなさんが神奈川県内外から集まってくださいました。
みなさん見学を通じて感じたことを、それぞれの現場で活かしていきたいという声をたくさんいただきました。

【参加者からのコメント】
「3つの異なる現場で行っていることそれぞれに奥深いものを感じました。」

「アートに特化した場所を見て、障害のあるアーティストたちの存在感があるなという印象を持ちました。障害のある人たちが主体性を持って活動する環境づくりがとても大切なんだと感じました。 」

「3つの施設はいずれも地域に根付いていると感じました。アートを一方的に教えるのではなく個々が面白がって、必要な時のサポートのみというのが素晴らしいと感じました。」

「デザイナーは作ることが目的で、生産し、お金に還元することだけを考えがちですが、今回の施設を見学して、人として関わっていきたいと思いました。」

 

―データ―
【日時】2015年8月27日(木)10:00~17:00
【見学先】
studio COOCA(神奈川県 平塚市平塚4-15-16)
カプカプひかりが丘(神奈川県横浜市旭区上白根町891-18-4-103)
アートかれん(神奈川県横浜市港北区大倉山1-11-4)
【参加者数】19人

 

※このプログラムは、厚生労働省「平成27年度 障害者の芸術活動支援モデル事業」アクセシビリティ&アカンパニスト研究プログラムの一環として開催しました。