SLOW MOVEMENT参加アーティスト紹介
今回はスローファクトリーと美術・小道具を担当するアーティストの井上唯さんです。
井上唯 いのうえ・ゆい (アーティスト / 美術・小道具・ファクトリー)
◎井上さんへ、スロームーブメントについて5つの質問
Q1:「スロームーブメント」プロジェクトについて
お話を最初に聞いた時には、どういう印象を抱きましたか?
これから世界はこういう方向に進んでいくだろうし、いくべきだろうなと。
それを指し示すムーブメントの考え方に共感しました。
Q2:プロジェクトの作品制作をする上で、
大切にしていることや工夫していることはなんですか?
三角さんの詩を読ませていただいて、この世界が、粒子的なものから宇宙的なものまで、
すべてのモノが流れながら、繋がりながら、響きあってできているさまがイメージされました。
私が担当しているのは美術ですが、目に見えるものも見えないものも、
あらゆる存在が響きあいながら在る、ということが感じられてくるようなモノにしたいなと。
今回、美術のキーになっている『twinkle catcher』は、風や光などを通して、
そうした存在に気づくための「きっかけ」のような「装置」のようなものです。
“サンキャッチャー”は、太陽の光を集めるものですが、この
“ティンクルキャッチャー”は、太陽の光だけでなく、この世界のあらゆる
キラキラした存在を集めるもの、という意味で、名前をつけました。
風が吹くことで、キレイな音を奏でながらユラユラと踊るようにまわったり、
光を受けて、素材たちが様々な表情をみせます。
これらを空間に点在させることで、目に見えないはずの
風の動きや空気の気配などが、大きなひとつの存在として見えてきたり、
感じられるのではないかと期待しました。
twinkle catcherを通して、この世界が大きく繋がりながら動いて、
響きあっているさまが見えてきたら素敵だなと。
Q3:作品制作の進め方や、作品制作をおこなっているなかで
一番印象に残ってたことを教えてください。
詩からイメージを膨らませ、そして衣装やパフォーマンスなどと並行しながら、
イメージを共有しながら、美術の方も試行錯誤しながら進んでいきました。
今回、市民参加者の方たちにもtwinkle catcherづくりを手伝って
いただいているのですが、それぞれが作り上げる色合いがバラエティー豊かで、
自分ひとりで作るときには出会えない色合いが溢れていてとても楽しいです。
また、パフォーマンススペースに設置するため、twinkle catcherを発展させたカタチで
モビールのようなものもつくっているのですが、自然の摂理で動いてるものを見てるのって、
とても気持ちがいいなーと。モビールを作るのは初めてだったのですが、
様々な要素が関係しあいながら、くるくると廻りながら揺れながら動いていて、
人間の意思と関わりのないところでまわっている世界がすぐそこにある感じがして、
ほんとにボーッとしながらずっと見ていられます。自然はやっぱりすごいですねー。
twinkle catcherの不思議なメタルパーツは東京都荒川区にあるパンチングメタルの専門メーカー石川金網株式会社さんにご協力いただいています。
Q4:まもなくプロジェクトのパフォーマンスが初演されますが、
ご自身が楽しみにしている見所などを、このページをご覧になっている
皆さんに向けてこっそり先に教えてください!
パフォーマンス当日はファーマーズマーケットも開催されていますし、
スパイラルにも、twinkle catcher 売りが登場したりと、
会場の周辺にも楽しい雰囲気が溢れることになると思います。
また、パフォーマンス会場にファクトリースペースを設けており
来場した方が、自分だけの twinkle catcher をつくって
パフォーマンスの一部になったり、
パフォーマンスの欠片をお家に持ち帰って余韻を楽しんでいただくことができます。
みんなの思いを乗せた twinkle catcher が会場や町に溢れていくといいなと思っています。
*スローファクトリー -参加型舞台美術づくり-*
日程・場所:
10月3日(土)国連大学前広場
10月25日(日)豊洲公園
時間:10:00-16:00(受付15:00まで)
所要時間:30〜40分
参加費:1500円(材料費として)
参加資格・方法:どなたでも。予約不要。(席数16を予定)
*持ち帰り可。
*三角みづ紀さんの詩 -The Eternal Symphony-付き
*小学生以下は保護者同伴でお願いします。
*施設・団体での参加、または特別なサポートが必要な場合は事前にご連絡ください。
パフォーマンス観覧の前に参加されることをお勧めします!
Q5:最後の質問です。「スロームーブメント」の大きなテーマの
1つは“旅”ですが、ご自身にとっての”旅“とはなんですか?
ドキドキワクワクさせてくれるものです。私も旅がすきなのですが、
いつも、まだ見ぬ風景に出会えることを期待して、ドキドキワクワクさせてくれる
ナニカに出会うために足を進めている感じです。
[プロフィール]
井上唯 いのうえ・ゆい (アーティスト / 美術)
愛知教育大学 教育学部 造形文化コース 織専攻卒業。金沢美術工芸大学大学院 美術工芸研究科染織コース修了。”織” から始まった興味が、次第に空間へと広がり、特定の場に対してモノをつくることにおもしろさを感じるようになる。また移動生活を楽しむ一方で、ひとつの土地に根差してしかできないことがあることに気づき、湖と山と川に惹かれ滋賀県に移り住む。生活のなかでやりたいことと、制作とが繋がってくるとおもしろいなと思っている。「公募京都芸術センター2009 井上唯 『虚空に浮かぶ月』/clipper 『アウトライン-電車編』粟島アーティスト・イン・レジデンス(粟島 AIR)2010 / Autumn】【神山アーティスト・イン・レジデンス(神山 AIR)2011】「六甲・ミーツ・アート 2013 芸術散歩」六甲オルゴールミュージアム(兵庫)他。第37回毎日 DAS 学生デザインコンペ・金の卵賞、ておりや 30 周年記念公募展・大賞他。
公式サイト:http://iyueunoi.jimdo.com/
ありがとうございました!